アドラー心理学 心理学 読書感想

「動的平衡」とアドラー心理学の全体論について

動的平衡(木楽舎)福岡伸一
という本が、面白かった。
「一つの命も、それから地球と言う自然環境も、絶え間なく全体のバランスをとることで成り立っている。
自然科学は、iPS細胞にみられるように、機能的、部分的に考えることばかりするので、その考えで発展するとバランスを崩して取り返しがつかなくなるんじゃないか」と警鐘をならす本でした。

動的平衡という考えは、よく考えたら、これはアドラー心理学の基本理論にある、「全体論」と同じであることに気づきます。

アドラー心理学の「全体論」というのは、「ひとは絶え間なく意見が変わるけど、全体として一つの心理を表現している」という考えです。
「意識ではあの人に声をかけたいけど、潜在意識にブレーキがかかって、できなかった」という表現をする人がいます。
「自分ではそうしたいのに、もう一人の部分がそれを許さなかった」という心の解釈ですね。
このような、自分の中に複数の心があるという考えを、アドラー心理学では否定します。
全体で見て、「声をかけて傷つかないことを、一番に選んだのだ」と考えます。

誰かを理解しようと思ったら、一つ一つの言動で判断するのではなく、全体で見たほうがその人のことがよくわかるというのは、思い当たることはないでしょうか。

ただし、全体で考えるということは、当たり前のことですが、部分で物事を考えるより、広い知見が必要です。
アドラー心理学も、動的平衡も、考え方の枠組みであって、そこからどう発展させるかは、使用する我々にかかっていますね。

関係ないですが、福岡伸一さんは、私がここ5年くらいに読んだ文章の中でも、とりわけ美しい文章を書く人です。
KINDLEではほとんど出版されてないので、紙の本を買ってね。

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