突然始めますが、収入印紙は、貼るだけではだめで、割り印(消印)を押す必要がありますから、正解の方法を写真で説明することにしましょう。
収入印紙の位置の正解
収入印紙は、契約書の場合一番初めのページの左上に貼ることが多いですが、どこに貼っても構いません。
領収書だと右下に貼ることが多いです。もちろんどこに貼っても構いません。
消印の押し方についての正解を写真で説明
収入印紙は消印をしなければ、印紙税を納付したことになりません。
印紙を貼ったら、貼った紙と印紙にまたがるように、ハンコを押しましょう。印紙の右でも左でもOKです。
また、ハンコでなくても、ボールペンで名前を書くのでもOKです。
消印の方法についてもっと詳しく
以下、国税庁の印紙の消印の方法を引用しておきます。
印紙税の課税対象となる文書に印紙を貼り付けた場合には、その文書と印紙の彩紋とにかけて判明に印紙を消さなければならないことになっています(法第8条第2項)。
そして、印紙を消す方法は、文書の作成者又は代理人、使用人その他の従業者の印章又は署名によることになっています(令第5条)。
このように、消印する人は文書の作成者に限られておらず、また、消印は印章でなくても署名でもよいとされているところから、文書の消印は、その文書に押した印でなくても、作成者、代理人、使用人、従業者の印章又は署名であれば、どのようなものでも差し支えありません。
ところで、消印は印紙の再使用を防止するためのものですから、それに使用する印章は通常印判といわれているもののほか、氏名、名称などを表示した日付印、役職名、名称などを表示したゴム印のようなものでも差し支えありません(基通第65条)。
署名は自筆によるのですが、その表示は氏名を表すものでも通称、商号のようなものでも構いません。しかし、単に「印」と表示したり斜線を引いたりしてもそれは印章や署名には当たりませんから、消印したことにはなりません。また、印紙は判明に消さなければならないこととされていますから、一見して誰が消印したかが明らかとなる程度に印章を押し又は署名することが必要であり、かつ、通常の方法では消印を取り去ることができないことが必要です。
したがって、鉛筆で署名したもののように簡単に消し去ることができるものは、消印をしたことにはなりません。
次に、消印は印紙の再使用を防止することを目的とするという趣旨のものですから、複数の人が共同して作成した文書に貼り付けた印紙は、その作成者のうち誰か1人の者が消せばよいことになっています。
例えば、甲と乙とが共同して作成した契約書については、甲と乙の双方が消印しても甲と乙のどちらか1人が消印しても差し支えありません(基通第64条)。
引用元:国税庁「印紙の消印の方法」 上の引用が長いのでまとめると、
- 印紙は文書と印紙の間にはっきりと消印しなくてはいけない
- 社長じゃなくて社員の名前でもいい。誰が消印したか分かればOK
- ゴム印でもいい
- 複数人での契約の時は、誰か一人の消印があればいい
ということですね。
契約書の場合、相手用と自分用に2通作ったりしますが、その場合、印紙は自分のだけに貼り、相手方が保管する契約書の印紙は、相手方に貼ってもらいます。
印紙税についての説明用ビデオ
印紙税についてのごっついビデオを、国税庁が作成しています。15分あります。
印紙を貼らなかったらどうなる?
税務調査の時、貼ってないとなると、追徴課税されるだけでなく、相手方の税務についても調査の対象となる場合もありそうです。
なるべく収入印紙のいらない電子契約を結びましょう。
電子契約にできないものについては誠実に印紙税を納めましょう。
消印を忘れたらどうなる?
消印を忘れてあっても、税務調査で指摘を受けることがありそうです。
再利用されるのを防ぐ目的ですから、しっかり消印しておきましょう。
消印を間違ったらどうする?
税務署に出向いて還付の手続きを受けます。 書類から印紙をはがしたり、切り取ったりしないでください。 その書類と実印をもって税務署で書類を作ります 還付は口座への振込みとなります。
参考:納付印を誤って押した場合の印紙税の還付
消印・割り印・契印の違い
印の用法ごとに名前があります。
消印 | 印紙と契約書をまたぐように押したものです。再利用防止の目的。 |
割り印 | 複数ある文書が同一のものまたは関連する書類であることを証明するものです。 契約書コピー含めて2通あったら、その二つをずらして、またぐように押す印です。 |
契印 | 役割は同じですが、ページが複数ある契約書の、ページの継ぎ目に押すものを契印(けいいん)といいます。 |
収入印紙は今後もまだまだ必要
収入印紙が必要な書類は非課税対象の書類をのぞくもので、例えば以下のようなものです
- 不動産の譲渡に関する契約書
- 商品代金の支払いなどで発行する手形
- 会社を設立する際の原始定款
- 継続的な取引の基本となる契約書
- 領収書
収入印紙は急速に不要になっています。
平成28年度の電子帳簿保存法改正により、2017年1月よりスマートフォンでの領収書電子化の運用が可能となってます。
契約書についても、クラウドサインをはじめとする電子契約を使うと収入印紙が不要になります。
が!法律により電子化できない書類もありますから、収入印紙が必要になる書類はまだいくつかあります。
さらに、まだ電子化に対応できていない会社も多いでしょうから、あとすこし収入印紙も生き延びますね。
私の関わる範囲でも、お手伝いするパーティーのチケットなどは、手書きで領収書を書いています。
なお、ときおり「印紙に消印をおさないと書類の証拠能力がなくなるからだめだ」という説明が見受けられますが、それは間違いです。 印紙への割り印は、「印紙の再利用を不可能にし、これによって印紙代を納税した」という証でしかありません。
クラウドサインを導入して、印紙税から自由になりましょうね!