1. はじめに — 補助金は大企業だけのものではない
「補助金は大きな会社が使うもので、自分のような個人事業主には縁がない」
そう思い込んでいるフリーランス・小規模事業者の方は、想像以上に多いです。実際には、補助金制度の多くは従業員5名以下の小規模事業者を主要な対象として設計されています。フリーランス・個人事業主であっても、開業届を出していれば申請できる制度が複数あります。
私は行政書士として、また中小企業庁の認定経営革新等支援機関(以下「認定支援機関」)として、日々小規模事業者の補助金申請を支援しています。その経験から言うと、補助金を「使える人」と「使えない人」を分けているのは、事業の大きさでも難しさでもなく、「知っているかどうか」だけです。
この記事では、フリーランス・小規模事業者が現実的に活用できる主要な補助金を網羅的に解説します。具体的に取り上げるのは次の制度です。
- 小規模事業者持続化補助金
- デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)
- ものづくり補助金
- 創業助成金(自治体別)
加えて、補助金と助成金・融資の使い分け、認定支援機関の活用法、採択率を上げる事業計画書の書き方まで、認定支援機関の実務視点で踏み込んで解説します。読み終わる頃には、自分が今どの制度を狙えばよいか、どう動けばよいかが整理されているはずです。
2. 補助金・助成金・融資 — 似て非なる3つの資金調達手段
補助金の話に入る前に、混同されがちな3つの言葉を整理しておきましょう。これを理解しているかどうかで、その後の判断の質が大きく変わります。
補助金とは
補助金は主に経済産業省・中小企業庁、または各自治体が、政策目的を実現するために事業者を資金面で支援する制度です。共通する特徴は次の3つです。
- 公募制で、審査がある — 応募すれば全員が採択されるわけではない
- 後払いが原則 — 採択 → 事業実施 → 実績報告 → 補助金交付という流れで、最終的に入金されるのは事業完了後
- 対象経費が決まっている — 自由に使えるお金ではなく、補助対象として認められた経費の一部が補填される
助成金とは
助成金は主に厚生労働省が、雇用に関する政策目的のために事業者に支給する制度です。代表的なものに雇用調整助成金、キャリアアップ助成金、両立支援等助成金などがあります。
補助金との最大の違いは、要件を満たせば原則として支給される点です。審査による「採択・不採択」ではなく、制度の要件をクリアすれば受給できる仕組みです。ただし、要件は厳密で、書類の不備があれば支給されません。
この記事では、補助金(経産省・自治体系)を中心に扱います。雇用関係助成金は別記事で詳しく解説する予定です。
融資とは
融資は返済義務のある借入です。代表的なものに日本政策金融公庫の国民生活事業、自治体の制度融資、民間金融機関のビジネスローンなどがあります。
補助金との違いは明確です。
|項目|補助金|融資|
|—|—|—|
|返済|不要|必要(利息含む)|
|入金タイミング|事業完了後の後払い|契約後すぐ|
|審査|事業計画の妥当性|返済能力(信用)|
|金額の自由度|対象経費に縛られる|資金使途は比較的自由|
使い分けの基本
実務上の使い分けはこうなります。
- 目の前の運転資金が必要(仕入れ、家賃、人件費) → 融資
- 新しい取組のための投資(設備、広告、ウェブサイト、システム導入) → 補助金
- 従業員の雇用・育成・労働環境改善 → 雇用関係助成金
この3つは併用も可能です。たとえば「補助金で新システムを導入したいが、補助金が入金されるまでの資金を融資で繋ぐ」というケースは実務でよくあります。
3. 小規模事業者持続化補助金 — 最初に検討すべき1本
フリーランス・小規模事業者にとって、最も使いやすい補助金が 小規模事業者持続化補助金(以下「持続化補助金」)です。「使いやすさ」「採択のしやすさ」「対象経費の幅広さ」のバランスが最も良く、初めての補助金挑戦には特におすすめです。
2026年5月時点の最新状況
2026年5月時点では、第19回(一般型・通常枠)が公募中で、申請締切は2026年4月30日でした。次回(第20回)の公募は2026年夏以降の見込みですが、公式発表は本記事執筆時点では出ていません。最新情報は中小企業庁の公式サイトで必ず確認してください。
補助上限と補助率
持続化補助金は基本となる「通常枠」と、いくつかの「特例」を組み合わせて利用できます。
|項目|内容|
|—|—|
|通常枠の補助上限|50万円|
|通常枠の補助率|2/3(赤字事業者は3/4)|
|インボイス特例|+50万円(通常枠に上乗せ)|
|賃金引上げ特例|+150万円(通常枠に上乗せ)|
|併用時の最大|250万円(通常50万+インボイス50万+賃上げ150万)|
|創業型|最大250万円(過去3年以内の創業者向け)|
「最大250万円」という数字だけが独り歩きしがちですが、これは複数の特例を満たした場合の合計値です。多くの個人事業主の現実的な狙い目は、通常枠50万円またはインボイス特例適用後の100万円のラインになります。
対象事業者
商業・サービス業の場合は常時使用する従業員5名以下、製造業等の場合は20名以下が対象です。フリーランス・個人事業主も対象になりますが、申請時には開業届の控えが事実上必須になります。開業届をまだ出していない方は、申請前に提出を済ませておく必要があります。
主要な対象経費
- 機械装置等費(業務用機器、ソフトウェアなど)
- 広報費(チラシ、看板、リスティング広告など)
- ウェブサイト関連費(補助金交付額の1/4が上限)
- 展示会出展費
- 新商品開発費
- 委託・外注費
- 旅費
ウェブサイト関連費に上限がある点は注意が必要です。「ホームページを作りたい」という目的だけでは、補助金の使い方として弱くなります。
認定支援機関と商工会・商工会議所の関与
持続化補助金では、認定支援機関の関与は必須ではありません。ただし、商工会・商工会議所が発行する「事業支援計画書(様式4)」が事実上必須です。つまり、地域の商工会・商工会議所と関わることが申請プロセスに組み込まれています。
私が実務で見ている限り、商工会・商工会議所は無料で相談に応じてくれることが多く、書類作成のサポートも受けられます。初めて補助金に挑戦する方は、まず地域の商工会・商工会議所の窓口に問い合わせることをおすすめします。
4. デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)
フリーランス・小規模事業者がクラウド会計ソフトやSaaSを導入する際の鉄板補助金が、デジタル化・AI導入補助金2026です。2026年から「IT導入補助金」という名称が変更されました。過去の記事や情報で「IT導入補助金」と書かれているものは古い情報ですので、ご注意ください。
2026年からの名称変更とAI支援の強化
2026年の制度改正で、名称が「IT導入補助金」から「デジタル化・AI導入補助金2026」に変わりました。背景にあるのは、生成AI・業務AIの活用支援を明示的に強化する政策方針です。従来のSaaS導入支援に加えて、AI関連の取組がより評価されるようになっています。
主要な4つの枠
| 枠 | 補助上限 | 補助率 | 主な対象 |
| 通常枠 | 5万〜450万円 | 1/2(小規模は条件付きで2/3〜4/5) | 業務効率化・売上向上に資するソフトウェア導入 |
| インボイス枠(インボイス対応類型) | 〜350万円 | 3/4(中小)〜4/5(小規模) | インボイス対応の会計・受発注ソフト、ハードウェアも対象 |
| インボイス枠(電子取引類型) | 〜350万円 | 電子取引対応 | |
| セキュリティ対策推進枠 | IPA「サイバーセキュリティお助け隊サービス」掲載サービス |
インボイス枠は補助率が高く、ハードウェア(PC、タブレット、レジなど)も対象になる点が特徴です。インボイス制度への対応で困っている小規模事業者にとっては特に活用しやすい枠です。
対象になるツール
対象になるのは、事務局に登録されたITツールのみです。あなたが使いたいツールが登録されているかどうかは、必ず事務局の公式ITツール検索で確認してください。
主要なクラウド会計ソフトはいずれも登録されています。
- freee会計
- マネーフォワードクラウド会計
- 弥生会計(オンライン)
これら以外にも、CRM、ECサイト構築ツール、顧客管理、勤怠管理、給与計算など、幅広いSaaSが対象に含まれています。
申請の流れ
デジタル化・AI導入補助金の申請プロセスは、他の補助金と少し異なります。
1. gBizIDプライムを取得(2〜3週間かかるので早めに) 2. IT導入支援事業者(ITベンダー)を選定 3. ITベンダーと共同で交付申請 4. 採択・交付決定 5. 交付決定後にツール契約・導入(これより前に契約・支払いをすると補助対象外!) 6. 事業実施・実績報告 7. 補助金交付
「交付決定前にツールを契約してしまうと補助金が出ない」という点は、最もよくある失敗です。「使いたいから申し込んでしまった」という相談を受けることがありますが、その時点で補助金は使えなくなります。順番を絶対に守ってください。
「補助金プラン」の存在
freee、マネーフォワードなどの主要SaaSベンダーは、デジタル化・AI導入補助金を活用したい事業者向けに、通常プランとは別の「補助金プラン」を用意していることがあります。プラン構成や料金体系が通常プランと異なる場合があり、契約時に必ず確認すべきポイントです。
具体的な「補助金プラン」を活用したクラウド会計ソフトの導入については、別途実例を交えた記事で詳しく解説しています。
関連記事:freee会計のデジタル化・AI導入補助金プラン導入レビュー(準備中)
関連記事:マネーフォワードクラウドのデジタル化・AI導入補助金プラン導入レビュー(準備中)
フリーランス・個人事業主の活用可能性
ものづくり補助金は、フリーランス・個人事業主でも申請可能です。ただし、補助上限が大きいこともあり、設備投資中心の補助金という性格が強く、事業規模との整合性が問われます。「年商300万円のフリーランスが3,000万円の設備投資計画を出す」というのは、論理的に厳しい話になります。
私の実務感覚としては、ものづくり補助金は次のような方に向いています。
- 既に事業がある程度回っていて、本格的な設備投資で次のステージへ行きたい
- BtoB向けに製品・サービスを提供していて、生産性向上の投資余地がある
- 法人化を視野に入れている、または既に法人化している
「まずは小さく始めたい」「ウェブサイトを充実させたい」というフェーズの方は、持続化補助金やデジタル化・AI導入補助金を先に検討する方が無難です。
認定支援機関の関与
ものづくり補助金では、認定支援機関の関与は任意です。ただし、事業計画書の質が採択を大きく左右するため、認定支援機関や中小企業診断士に事業計画策定を支援してもらうケースが一般的です。
新事業進出補助金(事業再構築補助金の後継)について
なお、2025年3月をもって事業再構築補助金は新規募集を終了しています。後継として「中小企業新事業進出補助金」が稼働中ですが、こちらは申請時点で従業員ゼロの事業者は対象外となっており、フリーランス単独での申請は実質的に困難です。
さらに、2026年度中にこの「新事業進出補助金」と「ものづくり補助金」が統合され、「新事業進出・ものづくり補助金(仮称)」として再編される予定です。本記事執筆時点では詳細未確定のため、具体的な制度内容は公式発表をお待ちください。
6. 創業助成金 — 自治体ごとに異なる
創業時に活用できる助成金として、各自治体が独自に「創業助成金」を設けていることが多くあります。これは国の制度ではなく、自治体ごとに別制度であるため、自分の所在地の自治体公式サイトを必ず確認する必要があります。
代表例:東京都「創業助成事業」
最も代表的な例として、東京都の「創業助成事業」を見てみます。
- 対象:都内で創業予定または創業5年未満の中小企業者等
- 要件:TOKYO創業ステーションの事業計画策定支援等を受けていること
- 助成上限:最大400万円(下限100万円)
- 助成率:2/3
- 対象経費:賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費、委託費
注意点として、公募期間が極めて短いです。令和8年度第1回は2026年4月7日10時から4月16日23時59分までという、わずか10日間の公募でした。事前準備(TOKYO創業ステーションでの計画策定支援)に時間がかかるため、創業を考えている方は創業の半年〜1年前から動き始めるくらいの感覚が必要です。
他の自治体
東京都以外にも、横浜市、大阪市、福岡市など多くの自治体が創業助成金を用意しています。要件・上限・公募時期は自治体ごとに大きく異なります。
「自分の住んでいる市区町村名 + 創業助成金」「自分の住んでいる市区町村名 + 創業支援」で検索して、所在地の制度を必ずチェックしてください。
7. 認定支援機関の活用法 — 自分でやる vs 専門家に頼む
ここまで主要な補助金を見てきましたが、実際に申請する際の判断ポイントとして、「認定支援機関(認定経営革新等支援機関)」の活用について整理しておきます。
認定支援機関とは
認定支援機関は、中小企業庁の認定を受けた、中小企業・小規模事業者の経営支援を行う機関です。税理士、中小企業診断士、行政書士、金融機関などが認定を受けています。一部の補助金では、認定支援機関の関与が必須または推奨されています。
補助金別の関与の必要性
| 補助金 | 認定支援機関の関与 | 備考 |
| 持続化補助金 | 不要(ただし商工会・商工会議所の様式4が必須 | 事業計画書の質が決定的 |
| デジタル化・AI導入補助金2026 | 特に必要ないです | |
| ものづくり補助金 | 任意(ただし採択率に影響) | もう公募がないかも |
| 新事業進出補助金 | 推奨 | 第4回で最後 |
認定支援機関に依頼するメリット
- 採択率の向上 — 事業計画書の質が上がる
- 書類不備の防止 — 提出書類の形式チェック
- 公募要領の加点項目への対応 — 賃上げ、事業継続力強化計画など
- 複数の制度を組み合わせた最適化 — 補助金と融資の併用提案など
デメリット
- 費用がかかる — 着手金型(数万円〜)、成功報酬型(補助金の10〜20%)など
- 相性の問題 — 自分の業種・事業内容に詳しいかどうか
- 依存リスク — 自社で事業計画を考える力がつかない懸念
まずは無料相談から
「いきなり有料で依頼するのはハードルが高い」という方には、無料で相談できる窓口を先に活用することをおすすめします。
- 商工会・商工会議所(地域密着、持続化補助金の様式4も発行)
- よろず支援拠点(各都道府県に設置、無料の経営相談)
- 日本政策金融公庫(融資相談ついでに事業計画の相談も可)
- ミラサポplus(中小企業庁の総合ポータル、無料で専門家派遣依頼も可)
これらの無料相談窓口の活用法は、別記事で詳しくまとめています(関連記事:個人事業主でも無料で受けられる「ちゃんとしたコンサルティング」まとめ)。
8. 採択率を上げる事業計画書 — 5つの原則
補助金申請における最大の関門は、事業計画書の質です。同じ事業内容でも、書き方ひとつで採択・不採択が分かれます。認定支援機関として多くの申請書に関わってきた経験から、採択率を上げる5つの原則をお伝えします。
原則1:経営課題と解決策の論理的接続
「うちの業界はこういう状況で、自社はこういう課題を抱えている。だからこの取組(補助対象事業)が必要で、これを実行するとこういう成果が出る」 — この論理の流れがクリアであることが大前提です。
審査員は事業内容の専門家ではないことが多いです。素人が読んでも筋が通っていることが分かるように書く必要があります。専門用語を使う場合は説明を添える、抽象的な表現は具体例で補強する、といった配慮が効きます。
原則2:数値目標の具体性
「売上を増やしたい」では弱く、「現状の月商200万円を、本事業実施から3年後に月商500万円(2.5倍)に拡大する」のように、具体的な数値とタイムラインを示すことが重要です。
数値の根拠も求められます。「なぜ500万円なのか」「なぜ3年なのか」を裏付けるデータや市場分析があると、計画の説得力が増します。
原則3:補助対象経費の必要性の明示
各経費について、「なぜそれが必要か」「いくらかかるか」「相見積もりは取ったか」を明示します。「これがないと事業が成立しない」と読み手に納得させる説明が必要です。
100万円のソフトウェア導入であれば、「このソフトを導入することで、現在の○○業務にかかっている年間△△時間が□□時間に短縮され、その時間を本来の付加価値業務に投入できる」のような、効果の定量化が望まれます。
原則4:認定支援機関等による客観的チェック
自分で書いた事業計画書は、必ず第三者にチェックしてもらってください。商工会・商工会議所、よろず支援拠点、認定支援機関のいずれかで、客観的な視点でレビューを受けることが、不備や論理の飛躍を防ぎます。
原則5:公募要領の加点項目を確実に満たす
各補助金には「加点項目」が設定されています。代表的なものに、賃上げ、事業継続力強化計画の認定、女性活躍推進、SDGsへの取組などがあります。該当する加点項目はもれなく押さえることで、採択順位が大きく変わります。
公募要領を熟読し、自社が満たせる加点項目をリストアップして、書類で確実にアピールしてください。
9. 補助金以外の資金繰り改善策
補助金は「後払い」が原則です。採択されてから実際に入金されるまで、半年〜1年かかることも珍しくありません。そのため、補助金だけに頼らない資金繰りの工夫が必要です。
短期的に資金繰りを改善する一つの選択肢として、請求書の早期現金化サービスがあります。これは取引先からの請求書を、入金日を待たずにクレジットカードで支払うことで、支払いサイトを後ろにずらして手元資金を確保する仕組みです。
請求書カード支払いサービスの代表例については、別記事で実例ベースで解説しています。
関連記事:マネーフォワードケッサイ 請求書カード払いレビュー(準備中)
なお、後述するファクタリングとは仕組みが異なります。ファクタリングは「売掛金を売却して現金化する」のに対し、請求書カード支払いは「支払いをカード払いに切り替える」サービスで、リスクと費用構造が違います。
10. 融資という選択肢
補助金が後払いである以上、つなぎ資金を融資で確保するという選択肢は実務上欠かせません。融資は「悪い借金」ではなく、事業の成長を支える正しいツールです。
個人事業主の第一選択:日本政策金融公庫
フリーランス・個人事業主にとって、最も活用しやすい融資先は日本政策金融公庫(国民生活事業)です。理由は次のとおりです。
- 政府系金融機関で、創業期や小規模事業者への融資に積極的
- 金利が民間金融機関より低めに設定されることが多い
- 創業融資、新事業活動促進融資など、用途別の制度が整備されている
- 補助金活用と組み合わせやすい(補助金交付前のつなぎ資金として)
初めての融資を検討するなら、まず公庫の窓口に相談してみることをおすすめします。
民間金融機関、自治体制度融資
公庫以外にも、地方銀行、信用金庫、自治体の制度融資など、選択肢は複数あります。それぞれ条件が異なるため、複数の選択肢を比較してから決めるのが基本です。
融資の相談先選びについては、別途まとめています。
関連記事:融資の相談先選びガイド(準備中)
11. ファクタリングは慎重に — 業界の問題点
資金繰り改善の選択肢として「ファクタリング」を耳にする方も多いと思いますが、この業界には注意が必要です。
ファクタリングは、売掛金を専門業者に売却することで、入金期日前に現金化する仕組みです。法的に違法ではありませんが、手数料が極めて高い業者や、強引な営業をかける業者、契約後にトラブルになるケースが業界全体で多発しています。
私自身、ファクタリング業界の周辺で発生する問題を間近で見てきたため、この記事では特定のファクタリング業者を推奨することはしません。もし利用を検討する場合は、次の点を必ず確認してください。
- 手数料の総額(年利換算で何%になるか)
- 二者間ファクタリングか三者間ファクタリングか
- 償還請求権の有無(売掛金が回収できなかった場合の責任)
- 業者の所在地、代表者、実績の確認
「すぐにお金が必要」という焦りは、判断を狂わせます。ファクタリングを検討する前に、まず日本政策金融公庫への融資相談を選択肢に入れてください。それが、長期的な事業の安定に資する判断です。
12. もっと詳しく知りたい方へ — 補助金診断
ここまで主要な補助金を網羅的に解説してきましたが、「結局自分はどの補助金を使うべきか」を判断するのは、それでも難しいと感じる方が多いと思います。
監修者の坂本が運営する事務所サイトに、補助金診断ページを用意しています。いくつかの質問に答えるだけで、自分が活用できそうな補助金の候補が分かる無料ツールです。本格的に申請を検討する前の方向性を整理する用途として活用してください。
なお、このリンク先は監修者の事務所サイトです。診断ツールの利用は無料で、登録も不要です。
13. 監修者コメント
補助金は、フリーランス・小規模事業者にとって、自分の事業を一段階押し上げるための有力な手段です。一方で、補助金そのものが目的になってしまい、本来の事業計画から外れてしまうケースも見てきました。
「補助金があるから何かしよう」ではなく、「本来やりたいことがあり、それを実現するために補助金が使える」という順序が大切です。この順序を守れば、補助金は事業を加速させるレバレッジになります。
不安があれば、最初の一歩として商工会・商工会議所、よろず支援拠点といった無料相談窓口に相談することをおすすめします。私自身も認定支援機関として相談を受けていますが、まずは公的な無料窓口を使ってみて、それでも難しい場合に有料の支援を検討する、というのが健全な順序です。
この記事が、皆さまの事業の次の一歩を考えるきっかけになれば幸いです。
最終更新:2026年5月17日 重要注記:本記事の情報は2026年5月時点で公式情報を確認したものです。補助金制度は頻繁に改正されるため、実際に申請を検討される際は、必ず各補助金の公式公募要領をご確認ください。

