契約書はめんどうなもの、でした
わたしは法律経済という学科で学びましたが、その時は、まさか法律の世界に進むとは思っていませんでした。
卒業後は現在も含め、長くフリーランスで働いていますが、契約書も請求書作成も「めんどくさいもの」として扱っていました。
契約書作成は、今はクラウドサイン を使えるので、自分から書く場合でも印刷も印紙も郵送も要らず、以前ほどのめんどくささはありません。
むしろ、積極的に使っていこうという立場です。
契約書を読むことで生まれるいいこと
めんどくさいと思っていた契約書ですが、パソコンを使った仕事をしている人は、読みやすく、利用しやすくなります。
契約書を利用していいことは、大きく分けると以下の四つがあります。
- 法律的な仕事の解釈がわかる
- 契約書に守ってもらえる
- 契約内容がわかるとミスが減る
- 記憶の補助線となる
法律的な仕事の解釈がわかる
民法では、たとえ契約書がなくても、「仕事をお願いします」「はい、仕事をします」という口約束を交わしたら、その契約は有効です。フリーを始めた時も、それくらいの認識はありました。しかし、フリーを始めた時の契約書に関する認識は、間違ったものを持っていました。「契約書は、"チョンボ"した時のペナルティについて書いてあるもんだ」というぐらいに思っていたのです。契約書は罰則が強調されるものではなく、約束の全てが書かれたものです。「なんとか契約書」、ではなく、「約束一覧」と書いてあれば、フリーランスを始めたときのわたしも、肩肘を張ることなく読んだかもしれませんね。契約書は、甲乙などがまず読みにくいですが、お客さんが書いた契約書だと、あなたは乙です。乙というニックネームがついたと思うと考えると、それ以降そんなに難しい表現は出てきません。
契約内容がわかるとミスが減る
契約書は、約束一覧なので、連絡手段や仕事の進め方についても書いてあります。フリーランスを始めた当時の業務委託契約書が手元に残ってないので、比較ができきず残念ですが、以前の契約書には、そこまで詳細に書いてありませんでした。IT業界全体がそのようになってきていると感じます。仕事の進め方まで書いてあるので、契約書を読むことで円滑に仕事が進められますね。
契約書に守ってもらえる
わたしはエニアグラム8番に該当する「統率者タイプ」を基本的に苦手とします。頭ごなしに指示されたくないし、対立を恐れないものの言い方も苦手です。最近はそのような方と一緒に仕事をすることはなくなりましたが、もし無理難題を出されて高圧的な態度に出られた場合は一線を引く必要があります。契約書は約束一覧なので、それに書いてないことには従う必要がありません。たしかに、フリーランスは、お客さんに愛されなければ続けられないので、印象良くあることも重要な課題です。何でもかんでもむげに断っていると続けられません。でも、フリーランスであることの最大のメリットは、誰と仕事をするかを選べることです。苦手な方と一緒に仕事をする必要はないのではないでしょうか。弁の立つ人との言い争いは難しくても、「契約書にないことですので、できかねます。」という言葉は、練習すれば誰でも言えるようになります。
記憶の補助線となる
「三年前のあの仕事に追加修正を」と言われる時があります。
でも、当時のことを思い出せずに困ったりします。
時間が経つうちにお客さんの記憶のなかで話が変わっていたりもするのです。
そんな時、契約書には仕事のルールのおおよそが書いてありますから、読むと、どのような取り決めで仕事を始めたか、何についてやらないと決めていたかを思い出すときの資料になります。
特定継続的役務提供などの一部の例外を除けば、これから契約書のほとんどがデジタル化します。
契約書の手間や時間が減るので、その分利用する方にシフトできればいいですね。