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【徹底解説】ファクタリング審査で手数料率を下げる工夫とは?

現金を最短即日で工面できるファクタリングには審査があります。
審査と聞くと不安になります。
「自社で申し込んでも、審査が通るか不安だ」
「審査が通っても、高い手数料をとられないか不安だ」
と思っていらっしゃる方は多いです。

そんな方のために、この記事では、ファクタリングで行われている審査基準についてお伝えします。
この記事を読むと、審査に通り、手数料率を下げるために、事前にどのような準備をしておけばよいかがわかります。

ファクタリングで審査なしの会社はあるのか?ファクタリングの審査が甘い会社は?

まずお伝えしておきたいことですが、ファクタリングで審査を行わない会社は、基本的にはありません。

ファクタリングの審査が甘い会社というのも、基本的にはありません。

例外もあって、インターネット上に情報を掲載していないような会社で、投函チラシやFAXの広告でみつけた会社であれば、審査がなかったり、審査が甘いところもあるかもしれません。
こういうところには、手を出さないことです。

「〇〇は審査が甘いよ」というようなインターネット上の書き込みもありますが、それはただ、その人と売掛金の内容が、ファクタリング会社の審査基準を満たしていたからです。

最近のファクタリングサービスでは、審査を行う前に、あらかじめ与信スコアを判断するサービスも出てきています。
そんなサービスでは審査に時間かからないため手続きが早く、甘い審査を行っているように見えるかもしれません。

実際は、どのファクタリング会社でも審査基準を持っていて、その基準に合うかをしっかり審査しています。

ファクタリングの審査基準と審査に通るコツ

しっかり審査をされているといっても、銀行や公庫で融資の審査をうけるより、相対的に考えて審査基準はゆるいものとなります。

審査基準を理解して、ファクタリングの審査に通りやすくすることが、手数料率を下げることにもつながります。

ファクタリングの審査に通るためには次の4つに気を付けましょう。

ポイント

  • 信用力のある売掛先を選ぶ
  • 入金日までがなるべく短い売掛金を選ぶ
  • きちんとした情報を提示する

順番にくわしく解説していきます。

信用力のある売掛先を選ぶ

ファクタリング会社にとってのリスクは、売掛金を回収するまでに、売掛先やあなたの会社が倒産することです。
ほとんどのファクタリングサービスには、「償還請求権なし」という、売掛先企業が倒産などした場合に売掛債権を持ってきた会社(あなた)が責任を負わなくてもいい仕組みがあります。
これは、ファクタリングサービスを利用した後、入金日がくる前に売掛先が倒産したら、ファクタリングサービスはあなたから売掛金分の支払いを請求できなくなるということです。

このため、ファクタリングサービスの審査では、あなたの会社より売掛先の信用力をより重視します。

売掛先が上場していたり、官公庁だったり、知名度がある会社や長く続けている会社であれば、審査に通りやすくなります。

もちろん売掛先が中小企業であっても審査は問題なく、長く取引のある取引先であれば、審査に通りやすいです。

反対に、できたばかりの会社、あなたの会社と付き合いがなかった会社だと、審査に通りにくくなり、また、通ったときの手数料率も高めになります。
また、個人に対する売掛金だと評価が悪くなります。最初から個人に対する売掛金を審査しない会社も多いです。

売掛先の経営状況も、審査の影響を受けます。
法人の場合は、IR(上場企業の場合)や帝国データバンク、東商リサーチなどで信用状況を調べることが可能です。
あまりにも財務状況の悪い会社の売掛金を審査に出すべきではないでしょう。

審査に通るためには、売掛金の中から、なるべく知名度が高い、長く続いている安定した会社のものを選んで審査に出すとよいです。

入金日までがなるべく短い売掛金を選ぶ

ファクタリング会社はこう考えます。

「売掛金の支払日までにその間に売掛先やあなたの会社に何か問題が発生するかもしれない。
だから、売掛金の支払日までが長すぎる売掛債権は、買いたくない。」

そのため、なるべく支払日までが短い売掛金を選んで審査に出すとよいです。

きちんとした情報を提示する

審査である以上は、求められた情報を間違いなく提出するのは、当たり前のことです。
これができていない人が多いのです。
記入する情報に間違いが多かったり、提出する書類に抜けがあった場合、審査に左右します。
提出する書類の注意を読んでいなかったりすると、これも影響します。

融資と比べて提出する書類は圧倒的に少ないので、ファクタリング会社はなるべく提出された少ない書類で多くを判断しようとします

「出してください」と言われた書類と情報は、しっかりと提出しましょう。

ファクタリングで審査落ち落ちする理由で考えられること

審査で落ちたときに考えられることは次のことです。

  • 売掛先の信用力が低い
  • 入金日までが長い(2か月以上ある)
  • ファクタリングサービスの条件に合わない
  • 自社(あなた)の信用力が低い

順番にくわしく解説していきます。

売掛先の信用力が低い

売掛先の企業に信用力がないと判断された場合は審査に落ちる可能性があります。
審査に通っても、手数料率は高いものになります。

クラウドソーシングを利用して誰だか分からない相手の仕事を請けているといった場合も、信用力は低くなります

売掛先の企業に信用力がないことは、自社のことではないので、あまりできることがありません。
他の売掛先の売掛金がある場合は、そちらを審査に出すか
2社間取引で審査に落ちた場合は、3社間取引ができないか検討してみることをお勧めします。

入金日までが長い(2か月以上ある)

売掛金の入金日までが長すぎると審査に落ちる可能性があります。
審査に通っても、手数料率は高いものになります。

入金日までが短い売掛金がある場合は、そちらを審査に出すとよいでしょう。

ファクタリングサービスの条件に合わない

「30万円以上の請求書があれば買い取ります」としているファクタリングサービスに、10万円の売掛金を審査に出しても通りません。

「個人事業主に対する売掛金は対象外です」としているファクタリングサービスに、個人事業主への請求書を審査に出しても通らないです。

これは、サービス内容をよく読んでないことが原因ですが、慌てているとそんなことも起こり得ます。

また、ファクタリングサービスによっては、審査に通ると自動的に契約が成立してしまうものがあり、そういったサービスに審査してもらっている請求書を別のところで審査すると、売掛債権を2重に売却することになるので、当然ながら通りません。場合によっては犯罪者になってしまうので注意が必要です。
審査に通ると自動的に買取が成立するサービスがあることは知っておいてください。

自社(あなた)の信用力が低い

ファクタリングサービスは、主に売掛先の信用力を見ますが、自社の信用力も考慮します。
特に2社間取引では、契約相手であるあなたが誠実であるかが大事になってきます。

ファクタリングサービスで見ているのは、次のは2つです。
「あなたが嘘をついてないか?」
「あなたの経営は安定しているか?」

嘘をつくのは論外ですが、事業を始めたばかりで通帳に一つも取引実績が記録されていない場合は、実績ができるまで利用は難しいでしょう。
自社(あなた)の信用力が原因の場合は、あまり対応策がありませんが、再度審査をする場合は、次の対策が考えられます。

  • 追加の(ファクタリング会社から求められていない)証拠書類を提出する。
  • よりきちんと受け答えする等の対策が考えられます。

まとめ:ファクタリングの審査基準に合わせると手数料率も下がる

ファクタリングサービスの取引では、信用力を上げることと、手数料率を下げることは同じです。

  • 通りそうな請求書を選ぶ
  • 言われたとおりの書類と情報を提出する
  • きちんと受け答えする

といったことが重要となってきます。

それからファクタリングサービスを継続して使うと手数料率が下がるサービスがあります。
また、他社から乗り換えるときに手数料を減免する会社もあります。

ただし、ファクタリングサービスはあくまでも経営が安定しない期間や緊急時に使うものです。
そのため継続利用を検討するより、財務改善を図ることの方に重点を置くように心がけていただきたいと思います。

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