この記事は、フリーランス(個人事業主)向けに、フリーランスがファクタリングを利用するときに確認するべき点を書きました。
フリーランスは、おひとりで仕事をするので、体調を崩した時などは収入が不安定になりがちです。
月ごとに売上げが上下することもあるでしょう。
お客さんの都合で売掛金の支払日が伸びてしまうこともあります。
「税金の支払いを失念していた」ということも、あるかもしれません。
蓄えがないときに、急に現金が足りなくなると、仕事が手につかなくなりますよね。
フリーランスが資金繰りに困ったときに考えてほしいことは以前このブログに書きました。
この記事のなかで、「ファクタリングのサービスを受ける」というものを紹介しています。
前の記事では書ききれなかったことですが、ファクタリングサービスは玉石混交です。
ネットに情報を出しているファクタリングサービスでも、「これはどうだろう…」と思えるサービスもあります。
そこで、フリーランスがファクタリングのサービスを検討するときに、どこを見てサービスを選ぶべきか、そのポイントをお話ししたいと思います。
この記事を読むと、フリーランスの立場からファクタリングのサービスを見るポイントがわかるようになります。
それから、審査に受かりやすくするポイントもわかるようになります。
ファクタリング会社が公開する情報にはばらつきがある
ファクタリング会社が公開する情報は次のようなものがあります。
- 入金スピード
- 利用手数料の最低・最高
- 買取対応額の最小・最大
- 取扱いファクタリングの種類(2社間取引、3社間取引)
- 個人事業主(フリーランス)に対応しているか
- 提出資料の内容と量
- 掛け目をしていないか
- オンライン対応の可否
- 電子契約対応の可否
- 会社情報
ファクタリング会社は、ホーム上では自分の会社がよく思われるような情報しか載せません。
これらのうち書いてないものは、「書きたくないなー」と思っているからに他ならないです。
書いてあることでも、実際サービスを受けるときには参考にならない情報も多いのです。
ファクタリングであまり参考にならない情報
1:入金スピード最速〇〇分
あらかじめお話しておくと、ファクタリングサービスはスピード提供が勝負であり、その点はもちろんファクタリング会社の方がよくわかっています。
ほとんどのサービスにおいて、受付、審査、入金は速やかに行われます。
しかし、入金スピード最速〇〇分という情報は、ほとんどあてになりません。
最速〇〇分というのは、その会社がこれまでにたたき出したファースト・レコードです。
その〇〇分を見るよりは、そのサービスが受付→(面談)→審査→契約→入金の流れをすみやかに行える仕組みを作っているだろうか、と思って情報を見てください。
ちなみに、最近は面談を行わないサービスも増えてます。
2:最低手数料〇%
最低手数料もほとんど参考にならない情報です。
まず、おさらいです。
ファクタリングサービスは2社間取引と3社間取引があります。
2社間取引は取引先(請求先)に知られずに契約する方法で、3社間取引は取引先にファクタリングサービスを受けることを知らせて協力してもらう契約方法です。
ファクタリング会社にとっては3社間取引の方が安心なことから、ファクタリングサービスでは、3社間取引の方が2社間取引よりも低い手数料率になります。
そして、3社間取引の手数料率だけを掲載する会社が多いのです。
ですが、資金繰りに困っているフリーランスのほとんどは、2社間の取引をしたいのではないでしょうか。
私は、ホームページの見栄えを優先する会社は利用しづらいなと感じます。
それから、手数料率は、審査の内容によって異なります。
あなたが審査にどんな請求書(注文書)を出すかによっても、大きく変わるのです。
(この点については、この後に書く「利用手数料率が下がるポイント」を読んでください。)
フリーランスがファクタリングで見るべきポイント
フリーランスがファクタリングサービスを見るときに、重視するべきポイントは次の内容です。
ポイント
- フリーランスが利用できるか
- 利用手数料率の上限が書いてあるか
- 審査がオンライン対応か
- 審査の提出書類が少ないか
- 契約が電子契約であるか
POINT1 フリーランスが利用できるか
個人事業主(フリーランス)にも対応しているファクタリングサービスは、ホームページにそのことを大きく書いています。
法人専用のファクタリングサービスも、はっきりとそのように書いています。
驚くことに、その中間というものが存在します。
個人事業主に「対応する」とも「しない」とも書いてないサービスです。
(よくよく見たら小さく「個人事業主も可」と書いてあるホームページもあります。)
「このサービスでは、個人事業主は、出来れば扱いたくないのかな?」
と思えてしまいます。
私が確認したファクタリングサービス100社を見ると「個人事業主専用」「個人事業主に対応する」とはっきり書いているサービスのほうが、その他の情報についても正確な情報開示をしようという姿勢がみらます。
ファクタリングのサービスはたくさんあるので、個人事業主専用か、個人事業主に対応すると明記しているサービスの中から選ぶことをおススメします。
POINT2 利用手数料率の上限が書いてあるか
先ほども書きましたが、「最低手数料〇%」という情報は、まずあてになりません。
それより最高手数料率を記載しているかをみてください。
数は少ないですが、なかには最高手数料率をホームページに掲載しているサービスもあります。
「あくまでも目安です」と断って記載しているところもありますが、それでも好感が持てます。
ぜひ確認をしてください。
注意していただきたいですが、この記事では「最高手数料率が書いてあるサービスだけを選んでください」とは言ってません。
手数料率の最高限度が記載してあることで、他社より審査が厳しい可能性もあります。
だから、最高手数料率が書いてあることがあなたに一番良いともいえません。
しかし、最高手数料率を記載していないサービスに相談する人にとっても、他社の最高手数料率は、相場感を知るための参考になるでしょう。
POINT3 審査がオンライン対応か
審査がオンライン対応かどうかは、この後に書いている「審査の提出書類が少ないか」「契約が電子契約であるか」の内容とセットです。
審査を早く完了してもらうためには、できるだけスムースに審査が終わる仕組みが用意されていなければなりません。
その会社の営業所に行って面談する必要があるというのであれば、利用する側のスケジュールによってどうしても遅くなったりします。
それと比較すると、電話や、メールその他のオンラインサービスを利用して、オンラインで審査を完結する仕組みを作っているところが、やはりスムースであると言えるでしょう。
POINT4 審査の提出書類が少ないか
審査の提出書類は、会社によってそれぞれです。
一般的なサービス(電子契約をしないもの)では、次のものが必要です
必要書類の例
- 本人確認書類(免許証等顔写真があるもの)
- 請求書(サービスによっては発注書)
- 通帳
- 確定申告書
- 実印
特に最近のサービスでは、これらのうちの2つか3つの提出で済むサービスがあります。
提出する書類が少ないほど、審査までが簡単に進みますね。
POINT5 契約が電子契約であるか
コロナ禍が影響したからか、利用するサービスが増えたからかは分かりませんが、
クラウドサインなどの電子契約を利用するサービスが増えてきました。
筆者は日々契約書を扱っているので負担はないですが、「契約書のすべてが面倒です」
「封筒を開けるのも、契約書を開くのも、読むのも、印鑑を押すのも、返信用封筒に入れてポストに投函するのも全部イヤ」
という人がいるのを知っています。
そういう人にとっても、そうでない人にとっても、電子契約は契約をあっという間に終わらせるとてもありがたいサービスです。
「電子契約というと難しいんではないか」と思われるかもしれませんが、基本的には、契約書を開いて読んで、問題なければ合意するボタンを押すだけです。
契約書を郵送したり、営業所に実印をもっていって押印する手間と比べると、ずいぶんと簡単です。
そのため、電子契約に対応しているサービスを利用することをお勧めいたします。
ちなみに、ファクタリングサービスのホームページで「オンライン対応」と書いてあっても契約書は電子契約でなく郵送対応だったりするので、その点についてもよく確認してみてください。
POINT6 会社情報を掲載しているか
ファクタリングサービスの中には、会社の所在地や代表者名を記載していないものもあって、驚きます。
会社情報をきちんと記載していない会社は、選ばないようにしてください。
フリーランスに限っての話ではないですが、念のため。
利用手数料率が下がるポイント
さきほど「最低手数料〇%」がほとんど意味のない情報と書きました。
審査で手数料率が上がったり下がったりするポイントがありますので、そこを知っておくほうが大事です。
手数料率が変わるポイントは概ね次のようなところです。
ポイント
- 取引先が信用に値する企業か
- 請求書の支払日までの日数が短いか
- 過去に取引先と取引を行っているか
- あなたが事業の取引をやっているか
- 金額が適正か
あなたに借金があったり、税金を未納にしていることなどはあまり考慮されません。
上記のポイントを順番に見ていきます。
POINT1 取引先が信用に値する企業か
取引先が大手の企業や、名の通った実績のある企業だと、手数料率は下がる傾向にあります。
また、取引先が個人事業主の場合は、受け付けてもらえない可能性があります。
POINT2 請求書の支払日までの日数が短いか
請求書に記載の支払日が短いと回収までのリスクが下がると判断されて、手数料率は下がる傾向にあります。
売掛金を回収するまでの日数が長いと、その間に何があるのかわからないので回収できないリスクが高いと判断されて、手数料率は上がります。
POINT3 金額が適正か
ファクタリングでは、サービス毎に買取対応額の最小・最大値を決めています。
その範囲の中で、請求金額が低いときは、リスクが低いとみなされ、手数料率は下がる傾向にあります。
請求金額が高い場合はリスクも高まるので、手数料率は上がる傾向にあります。
ただし、買取額があまりにも少額なときは、逆に手数料率が高くなることもありえます。
POINT4 過去に取引先と取引を行っているか
あなたと請求した企業がこれまで長く取引を行っているのであれば、安心材料となります。
その場合は、手数料率は下がる傾向にあります。
POINT5 あなたが事業の取引をやっているか
あなたの通帳に売上がいくつか記載されていて、これまで事業を続けてきていることがわかると、手数料率は下がる傾向にあります。
逆に、通帳に売上がなにも記載されていなかったりすると、審査としてマイナスポイントになります。