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クラウド会計を使うと会社の経営を上向かせる数字がすぐにわかります

こんにちは、行政書士、認定支援機関の坂本倫朗です。

このブログでは、小さなIT企業の社長を対象に、経営を向上させるための法律・財務・働き方の情報を提供しています。

ところで3月中旬は、個人事業主にとって、確定申告のピーク時です。

過去の自分がそうだったから言いますが、
経理を面倒に感じて、年一で確定申告をやっていませんか?

業績がよければそれでもいいですが、収入がカツカツの状態なのに、経理のデータを見直さないのは、将来が心配です。
逆に言うと、経理の数字を見る時間を取ることで、小さな事業でも経営を上向かせることができます。

そこで、この記事では、どうすれば経理をらくにできるか?
経理の数字を経営に生かすには、何をしたらよいか?
を見ていきます。

なお、この記事は自営業としても18年目の経験があり、経営・融資の支援もしている行政書士の坂本倫朗が提供しています。

クラウド会計を導入しよう

1年の経理をつけていなくて、レシートを税理士に丸投げするスタイルで帳簿を付けているのであれば、ぜひクラウド会計の導入を検討してみてください。

税理士先生への丸投げも悪くありませんが、自分の会社の業績を確認するのが、2~3か月後になってしまいます。
常に古い情報を目にすることになります。

税理士先生とコンサルティング契約をしているなら別ですが、
そうでもなければ、税理士先生が自ら進んで経営に助言をしてくれることはありません。

税理士の先生が冷たいのではなく、単純に、税理士業務がとても忙しいからです。

経営判断は自分でをする必要があります。

MFクラウド、freeeといったクラウド会計を導入すると、ほぼリアルタイムで経営の数字を把握することができます。

クレジット決済だと、仕訳の勘定科目を提案してくれるので、ボタンを押していくだけで仕訳できます。
家賃など毎月の支払いは完全自動で仕訳することが可能です。

著者は行政書士業務で役場に現金で支払ことがあるため、一部レシートの手入力をしていますが、
エンジニアやウェブデザイナーなど、だと、ほぼほぼクレジット決済で過ごすことができるので、
より簡単に日々の仕訳を行うことができるはずです。

経費の見直しをしよう

著者はfreeeを使っています。

freeeでは、数字がグラフで見える化できます。

たとえば、費用を勘定科目ごとに集計して出すことができます。

このような費用の見える化は、普通の税理士先生はやってくれませんが、freeeならサービス内で無料でできます。

図を見ると、当事務所では広告費が高いことが分かります。
冷静に、「広告はいるのか?」「広告費が削減できないか?」「広告不要にできないか」を分析していきます。
上記の図では、仕事が立て込んでいるときは広告出稿を止めるようにしたため、5月に広告予算を減らすことができています。

サブスクリプション費用や会費が大きな出費になっているかも

SIerなどの業種で高くなっているものは、外注費、保険料、サブスクリプション費用、会費だと思いますので、
その辺が必要であるかどうかを見ていきます。
会費やサブスクリプション費用は、必要かどうかで見るよりも、1月で何回利用しているか?
たとえば半年に1回の利用で費用を抑えられないか?
などを検討してみます。
500円程度のものはいったんスルーして、金額が大きいものから見直すと良いです。

私の事務所だと、電子証明書のサービスを月額の安いサービスに切り替えたので、毎月1万円ほど浮きました。
年額だと12万円の違いが出てきます。

第三者に必要な経費かを判断してもらう

自分で判断がつかなければ、親族や友人に「これいると思う?」と聞いてみるのもいいと思います。
お金のこととなると、感情が大きく動くので、どうしても主観が多くなります。
身近な人に気軽に聞いてみることで、客観的な意見がもらえます。

売上の柱を増やせないか?考えよう

エンジニア、ウェブデザイナーで、なおかつ1人~3人くらいの規模で仕事をしていると、事業が限定されてきます。

すべてを請負でやっていると、収入が安定しづらいです。

さらに、発注元の企業が1社のみだと危険です。

取引先が1社の場合、すくなくとも3社にまで広げましょう。

収入が不安定になる、ありがちなパターン

SIerにありがちな問題は、長期的な請負業務が長引いて、支払いが遅くなることです。

ウェブデザイナーにありがちな問題は、2月、8月の広告出稿が控えられる時期に仕事がなくなることです。

クラウド会計の導入で、1年間の売上を俯瞰してみることができます。

それぞれの事業に典型的な「売り上げ回収遅れ」「2・8の売り上げ減少」がみられるのであれば、それを見越した収入アップや、事業の追加を検討してください。

本業を圧迫しない事業を選ぼう

収入のもう一つとするのは、本業を圧迫しないものにしてください。

たとえば、ワゴン車でのランチ提供サービスは楽しそうですが、明らかに本業を圧迫します。

仕入れや教育に時間を取られすぎます。

どうしても楽しくてやりたい、というのならば別ですが、「収入を安定させるための事業の柱を増やそう」という主旨からはずれてきてしまいます。

オススメは講師業

比較的にどなたにでもオススメなのは講師業です。

といっても、ウェブデザインスクールやオンラインのマンツーマンレッスンの講師は、講師業の経験にはなりますが、収入にはつながりませんのでお勧めはできません。

オススメは、企業の新人研修など企業向けの研修を行うことです。

損をしないためには次のことをオススメします。

・準備期間の時間もコストとして考えるために、15万円以下では受けないようにすること

・自分が普段やってないスキルの提供をお願いされても断る

あえて太字にしないですが、とても重要なことです。

スキルを向上させる投資をしよう

そもそも収入が減っている状態は、会社全体の作業効率が落ちてきているか、

ニーズの高いスキルが習得ができていないことにあります。

ブラック企業がブラックなのは、教育への投資をしていないので、効率が悪く、値切られるような仕事を受けていることにあります。

個人事業主でも、自分への投資を行うとブラック化します。

ホワイト化するためには、スキルを得るための投資をしましょう。

既に仕事についている人が、「学びなおそう」と初心者向けのスクールに行くのは、あまりオススメできません。

新しい技術を導入すること自体はほぼ無料でできますが、
コーディングスキルを高めるなどより専門的な技能を高める場合は、師匠が必要です。
自分よりスキルの高い知り合いに、お金を払って教えてもらう方がよいと思います。

融資を検討しよう

経営にとって一番心配なのは現金が枯渇することです。

対策は融資をうけておくことです。

融資が怖いのは、高い利率でうけるからなのと、みんな使ってしまうからです。

低利子の融資を受けて、そのまま持っておくには怖くありません。

個人事業主でも融資は受けられます。

お金は基本的に万が一のお守りと思って、使わずに持っておくと、振込が遅れたりしてもあわてることなく、仕事に集中できますよ。

融資のプロなら、はじめてでもたくさん借りられる?

ちなみに「初めて融資を受けるんですが、融資は、プロに頼むとたくさん借りられるんですか?」
とよく聞かれますが、できません。
たくさん借りられるようにするには、それまでの実績や、長期的な計画が必要です。
そのような計画を作ることならできます。

そもそも、貸す側にとっても、きちんと返してもらえるかわからないと不安です。
信用も実績もないのに、口先だけでたくさん借りる方法などありません。
融資の支援は、銀行と事業者両方の不安が減るような計画や資料を作ることです。

話がそれましたが、
はじめに融資を受けるのであれば、まずは日本政策金融公庫に、月の売上平均の2~3カ月分を借りて、きちんと返します。
そうすると、いろんなところからたくさんの融資を受けることも可能になってきます。

そして、融資を受けるなら、直近の残高試算表があった方がいいです。
クラウド会計を導入しているのであれば、直近の残高試算表がすぐに作れるので便利です。

まとめ

貸借対照表や損益計算書のことは語りませんでしたが、

それがわからないでも、会社の経営は上向かせることができます。

上向かせるには、

  • クラウド会計で数字を見える化する
  • 経費の見直しをする
  • 売上の柱を増やす
  • スキル向上のための投資をする
  • 融資を受ける

ということをやっていくとよいです。

上の5つはあまり難しくありませんが、やれていない会社がほとんどです。

「ビジネスパーソンなら、貸借対照表や損益計算書を読めるようになろう、」

「総資本回転率や、総資本経常利益率などを覚えよう」という主旨の本がたくさんありますが、

そういったことを勉強するのは、もう少し後でよいと思います。

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