アドラー心理学基礎には「全体論」というものがあります。
人間の内部は、意識と無意識、心と体、理性と感情のようには分けられません。
それぞれ不可分のものであり、全体として目的に向かうという考えです。
「タバコを吸うのが悪いとわかっちゃいるけどやめられない」というのも、本当はただ吸いたいだけなのです。
もちろん、その全体は揺れ動きます。
さっきまで甘いもののことなんか考えもしなかったのに、甘いモノを見た途端、アドレナリンが放出されて甘いモノが欲しくてたまらなくなったとしても、そういう風に心が揺れ動く一人の人です。
もう一人の悪魔が出てきたわけではありません。
「もうひとりの自分や、または潜在意識や過去などが自分が望むことをこばんでいる」と考えるようになると、
何かを他の人のせいにしているのと同じ思考ルートをたどることになります。