契約前に作業をしていて、話が立ち消えるのは、フリーランスでなくても実務ではよく起こります。
リスクを負って、契約前に作業をするかどうか?
意見が分かれるところです。
契約締結前に作業をすることで起こりがちなトラブル
契約締結前の作業が無駄になること。
傷の浅いケースだと、
- 丸一日かけて見積もりを作ったけど通らなかった。
- 三日くらいかけてデモ版(サンプル)を作っていたけど案件がなくなった。
というのがあります。
これを「無駄」ととらえるかどうかはわかれるところですけどね。
たしかに、見積もりも大きな案件だと一日くらいかかってしまい、しかもほかの人も巻き込むので大変な労力がかかります。
しかし、個人的には、これらの作業が無駄と思えるのであれば、向いてない仕事をしているので、仕事をかえた方がいいように思います。
もうちょっと笑えないレベルになると、
- 発注書にサインして仕事を始めていたけど、途中でプロジェクトが立ち消えた。
- 仕事をしていたけど気に入ってもらえず、一か月たったところで発注先を変更された。
そして、請求もできなかったってパターンですね。
フリーランスにとって、時間は資源です。
「その仕事をする」ということは、「ほかの仕事をしない」という選択をすることでもあります。
しかも、誰かに協力をお願いして仕事を進めている場合、その人の作業分は持ち出しで払うことになります。
途中で仕事を奪われることは、0円でなくてマイナスなんですよねー。
「仕事をしたけど支払われなかった」を回避する方法
「仕事をしたけど支払われなかった」を回避する方法は、二つあります。
一つはしっかり契約を結ぶことです。
代理店とユーザ(発注者)はしっかり契約を結ぶことが当たり前にあるんですが、
代理店と制作会社間や、代理店とフリーランス間で契約書が交わされないことは、今でも多いです。
フリーランスの方は、自分から契約書を提示しましょう。
クラウドサインを使えば、電子署名を使って契約ができるのでそんなに手間もかかりません。
月10通分までは無料で使えます。
二つ目に、発注書をもらって仕事していても、請求できないようなことも起こりえます。
これを回避するためには、金額が大きいものについては、前金をもらるように交渉してみてください。
民法上では、請負契約は仕事が完了して引き渡したときにお金が支払わることになっていますが、
これは、契約を結ぶときに特約をつけることによって、条件を変えられます。
できないことではありません。
ぜひ、提案してみてください。
契約締結前に作業するかどうか。あなたはどっち?
最後にこれからフリーランスをする人に、
フリーランスの経験で話します。
より安全に仕事をするには、契約締結前に仕事をしないことがよさそうに見えます。
しかし、「契約締結前は仕事はしない。調べる準備もしない。受注が確定してなかったら見積もらない。契約にないことだったら何もしない」
というようなスタンスだったら、私の感覚では、フリーランスを続けてはいけないと思います。
なぜか?理由は簡単で、そんなことをしていたら嫌われるからです。
高飛車な方法でもうまくやっていってる人もいます。
特別に専門性が高ければ、やっていけるでしょう。
その分野の上位10%ぐらいのスキルがあれば、高飛車な態度でもフリーランスをやっていけるかな?
RubyやPythonのエンジニアは今は人手不足らしいので、上位10%でなくても、高飛車なままやっていけるかな?
私は高飛車な人とは仕事をしませんけどね。
あとは、仕事を紹介してくれる人が奇跡的なレベルで有能な人で、
こちらの言い分を理解してうまく回せるようなスケジューリングをしてくれて、
こちら側も、その紹介してくれた人を感動させるくらい鮮やかなクオリティーで早めに納品できるなら、
「契約前はいっさい動かない」というスタンスでも、フリーランスを続けていけるでしょう(それを専門性が高いというのですけど)。
そんな人も、いることはいます。
今から始める人も、誠実さを大事にしていたら、フリーランスはやっていけますよ。
稼ぐためにはトラブルを回避していくことが大事です。
そのために、こちら側から、なるべく早く契約締結について話をするのが大事なんです。
そして、感じよく仕事をしていくことも、稼ぎ「続ける」ためには大事ですよー!
私は、契約締結前に作業をすることはしませんが、見積もりをしたり、調べたり、知識を提供するということは、やっています(好きな人が相手なら笑)。
契約前に動くか?ということは、企業であれば、企業の空気(というか社長さんの気分)が決める部分ですが、
フリーランスであれば、スタイルは自分で決める必要がありますよ。
どういうスタンスで働くか、ぶれないようにしておきましょう。
無理なスタイルでは5年もたないです。
「法律をよく知って身を守りつつ、感じよく」というスタイルが、私のお勧めです。