ひとりで働く人のアドラー心理学

性格、人格、気質を、アドラー心理学はどう見るのか

随分前に「性格、人格、気質」のことを書いたのですが、
「アドラー心理学では、性格、人格、気質をどう考えるのか?」
という質問を受けたので、答えます。

「性格、人格、気質」ふたたび

上記の「性格、人格、気質」というワードは、心理学で共通して使っている基礎用語です。
でもネットに載ってないよね。

レポートのためにこのページを見に来た学生さん!
ウェブサイトをみるより、本で読んだ方が早いよ。

え?レポートは明日出すから、今から本を読んでいたら間に合わない?そしたら、ここを見るといいよ。
でもレポートって言うのは、どこに書いてあったか言えないと、あまり意味がないよ。

では改めて、3つのそれぞれの言葉を、アドラー心理学ではどう考えているのか?

アドラー心理学では、「性格、人格、気質」をどう考えるか

アドラー心理学では、
「人は、性格、人格、気質といったように分けて考えられません」
というふうに答えます。

これが、いろんな心理学派と決定的に違うところです。

アドラー心理学の、基礎理論の一つに「全体論」があります。
人間は不可分であるという考えです。
落ち込んでいるときも騒いでいるときも、
寝ているときもおきているときも、
無意識も勇意識も、全体の性格をひっくるめて、「その人」なんです。

アドラー心理学は、アメリカではIndivisual psychologyと書きます。
日本語訳にすると「個人心理学」ですが、これは不完全な訳です。
IndivisualとはIn+dividual、つまり、「分けられない」「不可分」という意味を持っているのです。
日本語で個人心理学という訳にしてしまうと、この心理学の本質をうまく言い表せなくなるので
「アドラー心理学」という言葉を使っているのではないでしょうか。

これは分裂的な人格や、多重人格を否定するものではありません。
たとえ多重人格であろうと、全ての人格全体で発しているメッセージを、アドラー心理学では読み取ろうとするんです。

アドラー心理学だと、性格=ライフスタイル

補足的になりますが、アドラー心理学は、性格のことをCharacterとはいわず、lifestyle(ライフスタイル)と呼びます。
ライフスタイル(性格)は、その時その時の意思決定の積み重ねでできているものであって、
その時の意志によって、変えうるものだと考えているのです。

私はこの考えが好きで、アドラー心理学の講師をやっています。

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